全世界の森林面積は35億ha(林業白書:平成9年)で総陸地面積の約27%に相当します。先進諸国では森林が微増しているにも関わらず開発途上国、特に熱帯雨林は毎年、日本国土の約3割に当たる1260万haの森林が消滅しています。そこで現在備蓄過剰気味の日本国内で植林された木材を利用する事により自然林への負担を軽減する事が必要とされています。今、日本の備蓄林(特に杉が多い)を消費し林業を活性化しないと日本の森林は荒れ、次世代に残していけない状況に陥っています。
山TSのスギは強度、耐久性を研究し、70年かかって育った木を使い建てられた家は70年の耐久性を持つことを目標に考えられています。
乾燥方法は現在主流になっている人工乾燥(化石燃料を使って短期間に強制的に乾燥させる方法)ではなく、あくまで天然乾燥こだわっています。山の伐採現場で葉をつけたまま乾燥させる「葉枯らし乾燥」は伐採現場からの搬送時のエネルギー消費も軽減します。 徳島の温暖な気候を活かした製材後の「桟積み乾燥」により強度も増します。また、強度・耐久性が含水率に左右される事の少ない伝統工法にもこだわりを持ちつづけます、それは、将来的に移築または部材のリサイクルを容易にします。
このように、これまで私たちが“当たり前のこと”として受け止めていた内容が、こうして環境問題を知ることで“社会的にも意義のあること”であることに気がつき、自分たちの活動の大きな原動力のひとつになっています。