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五感で感じる木の良さ-徳島県木連 ホームページより-

木材で囲まれた空間では、暖かみや安らぎがあるといわれています。
これは、木材の香りや手触り、木目等が心地よい感覚を人に与えるからです。木材が人間の五感(視・聴・臭・味・触覚)に作用する心地よさのメカニズムが、 最近の研究から明らかにれています。

このページでは徳島県林業総合技術センター徳島県立農林水産総合技術支援センターの協力を得て、こうした木材の性質について、わかりやすく解説します。

  • 視覚
  • 聴覚
  • 嗅覚
  • 触覚
  • 体感
  • ほどよい光沢

     木材は、金属やプラスティックとは異なり、独特の光沢があり、木特有の質感を形成しています。これは、木材表面には細胞構造にもとづく微妙な凹凸があり、それにより光が散乱することが、冷たさを軽減させ、温かいイメージを与えるからなのです。
     光の反射は、木材の繊維方向に平行に光を当てたときと、木材の繊維方向に垂直に光を当てたときとでは、異なります。繊維に平行に光を当てたときは、光の多くが正反射するのに対し、繊維に垂直に光が入った場合は細胞壁側で光が散乱し、強い反射を生じません。(図1,2)

    目に優しく暖かい色

     木材は波長の短い紫から青色の光線を良く吸収し、波長の長い赤から黄色の光を良く反射します。このため橙色を中心とした暖色が基調となって、温かいイメージを与えています。
     また木材は、目に有害とされる紫外線の反射が少なく、目に優しい材料といわれています。(図3)
    更に木材の木目や模様には適当な揺らぎとコントラストがあります。 1/fのゆらぎと呼ばれる適当な不規則性が、自然で快い印象を与えるのです。(図4)

  • 適度な吸音率

     木材や畳の吸音率は、低温から高音まで比較的高く、音を適度に吸収します。一方、コンクリートで囲まれた建物では吸音力が小さく、反射音が大きくなるため、音がよく響き、耳障りに感じられます。
     また木材には低い周波域の音を相対的に増幅し、人間の耳にとって耳障りな高周波域の成分を抑える特性があるため、人の聴覚になじみやすくなっています。材料の一端を固定して他端に振動を加えたときの放射音の大きさと周波数との関係を見ると、アルミニウムなど金属材料では、ピークの高さが高い周波数まで変化しないのに対し、木材のピークは周波数の増大に伴って低下します。(図1,2)

    木の家の住み心地の良さ

     さらに、人が聞こえないとされる20~30kHzの超高音域の音が耳に入ると、脳波に変化が起こり、アルファ波が発生し、精神的に安定することがわかっています。こうした超高音域を持つ音は、虫や鳥の声、せせらぎの音の多い所に見られます。驚くべきことに、従来から防音に弱いとされる木造住宅には、この超高音域の音成分が存在し、コンクリート住宅にはこの音成分が存在しません。木の家の住み心地の良さは、このあたりに秘密があるのかもしれません。

  • 木の香りの沈静作用

     スギから匂うほのかな香りはストレスを癒し、ヒノキの香りはやすらぎを与えてくれます。木材中の微量な芳香成分に鎮静効果があることがいろいろな実験でも確かめられています。木のこのような成分は製油と呼ばれ、鎮静効果の他に消臭作用、防ダニ作用、殺虫作用、防カビ・抗菌作用が知られています。
     最近、スギの香りが眠りを促進することが、徳島大学医学部の研究から明らかになりました。人の脳波などを測定した結果、眠りに入るのはスギの香りのする部屋の方が早くなります。(図1)
     ラットで行った実験でもスギの香りで夜間の活動量が減り、1日の平均睡眠時間は2時間20分も増えました。(図2~4)
     このことから、スギの香りが交感神経を抑制してリラックスした状態をつくり、睡眠を促進するのではないかと考えられます。

    木材と味覚

     さらに、人が聞こえないとされる20~30kHzの超高音域の音が耳に入ると、脳波に変化が起こり、アルファ波が発生し、精神的に安定することがわかっています。こうした超高音域を持つ音は、虫や鳥の声、せせらぎの音の多い所に見られます。驚くべきことに、従来から防音に弱いとされる木造住宅には、この超高音域の音成分が存在し、コンクリート住宅にはこの音成分が存在しません。木の家の住み心地の良さは、このあたりに秘密があるのかもしれません。

  • 人の温熱生理による体感

     木材は、金属やコンクリート、ガラスに比べて接触したときにやや暖かく感じられます。こうした材料の温冷感には、熱伝導率(熱の伝わる速さを表す量)が関係しています。
     熱伝導率が大きい材料では人の皮膚から熱が逃げやすく、皮膚と材料の温度は低下するので冷たく感じられます。逆に熱伝導率が小さい材料では人の皮膚から熱が逃げにくく、暖かく感じられます。例えばスギの熱伝導率はコンクリートの1/12,鉄の1/483と小さいので、触ったとき温かく感じられるわけです。(図1)
     このように木材は熱伝導率が小さいため、調理道具の取っ手や柄、寒冷地におけるガラス戸やドアのノブにも用いられています。

    徳島すぎの遮熱性能

     また、木造住宅では木材の小さい熱伝導率と適度な熱容量(熱の蓄積容量)により外部の温度変化を伝えにくい効果があります。
     (図2)は、種類の違う木造住宅の壁ボードの一方から熱を与え、反対側の熱の伝わり方をはかったものです。ボードの種類は、スギ板30mm、40mm、55mm、スチレンボード25mm、グラスウール50mmの5種類です。スチレンボードとグラスウールは比較的早く裏面の温度が上がりますが、スギ板ではほとんどあがりません。同じスギ板でも厚さの厚い物ほど温度変化が小さくなります。

  • 人の温熱生理による体感

     住居環境下で、人は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のほかに暑い、寒いといった、人間の温熱生理による体感を持っています。人間は、生体としての恒温生を保つために、体内で生産されたエネルギーを熱として周囲に放散します。この代謝のための熱量と放散熱量の違いによって、暑さや寒さを感じるのです。(図1)
     そして住宅内の温度と湿度は、居住者の体感に大きく影響します。その点、木材には調温作用と調湿作用があり、快適な居住環境を形成します。住宅の内装や家具として木材が豊富に使われていると、室内の温・湿度変動は外周と比べて小さくなり、気候調節が行われることが分かっています。

    木の湿度コントロール機能

     また、住宅内の温度と湿度は、ダニやカビなど微生物の繁殖や居住者の健康に深く係わっています。住宅内において、相対湿度が常に高かったり、低かったり、あるいは著しく変動することは、人に対して望ましくありません。(図2)
     実験室の内装面にスギとビニールクロスを貼って、室内の湿度変化を比べると、スギではその変動幅が小さく、湿度が一定に保たれる様子がわかります。湿度が高くなれば水分を吸収し、湿度が低くなれば水分を放出するという、木の湿度コントロール機能は、さながら天然のエアコンのようです。(図3)