幼い頃の思い出や体験は、その後の人生に大きな影響を与えます。施主は、開業医の娘として育ちました。当時なら町の殆どの医院がそうだったように、木造の病院でした。畳の待合室に近所の人達が寄り添い互いにいたわる光景を、施主は幼い頃から見て育ちました。医学生の頃、彼女が過ごしたのは岐阜。世界文化遺産にも指定されたあの民家がある木の国です。そうやって育った彼女が、じぶんの診療所を計画する時、「木の診療所」を考えたのは当然だったのでしょう。どうせなら徳島県産の杉を・・・それがTSウッドハウスとの出会いでした。
デイケアハウスとして利用する108m2の大空間には、杉のほのかな香りが漂っています。市場ではとても調達できない長尺モノの梁や柱があったからこそ実現したこの空間も、産地直結の恩恵です。トイレをはじめあらゆる床が杉の一枚モノのため、暖かく安全でもあります。杉の癒しのシャワーが大空間に降り注いできます。お年寄りたちは、ひだまりの縁側や畳コーナーに集まり、ひがな一日まるで我が家のようにくつろいでいます。安全に快適にのんびりと一日を過ごし、元気になって各家庭に帰っていきます。
構造 | 木造2階建て一部鉄筋コンクリート造 | 基礎 | 鉄筋コンクリートベタ基礎一部布基礎 |
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敷地面積 | 550.75m²(約166.9坪) | 床面積 | 1階 380.07m² 2階 115.52m² 合計 495.59m¹(約150.1坪) |
主な外部仕上げ | 屋根:ガルバリウム鋼板厚0.4mm瓦棒葺き 外壁:デイケア棟/杉板厚15mm縦張り、幅広防火サイディング厚12、アクリルシン吹付 診療棟/ラムダサイディング厚、15横張り 建具:住宅用アルミサッシ、一部汎用サッシ、 スロープ・ポーチ:杉板厚40本実張り、オスモカラー塗り |
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主な内部仕上げ | デイケア棟/天井:杉野地板厚40mm本実張り化、粧表し 壁:杉板厚30mm落とし込み、一部しっくい塗り(鉄筋コンクリート部) 腰:一部杉板厚10mm縦張り 床:9.5ジョイントパテEPヌリ、一部杉板厚40本実張り化粧表し 2階 杉野地板厚30mm本実張り化粧表し 壁:月桃紙貼(P.B厚12.5) 腰:杉板厚10mm縦張り 床:こもれび40本実張り |
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杉の診療所に 使用した長材 リストの一部 |
梁・桁 155X305X 9,000・・・・・・1本 155X305X 8,000・・・・・・1本 155X305X 7,000・・・・・・4本 155X245X 10,000・・・・・ 4本 155X245X 9,000・・・・・・1本 155X245X 8,000・・・・・・6本 125X305X 8,000・・・・・・2本 125X305X 7,000・・・・・ 14本 125X305X 6,000・・・・・・2本 125X275X 9,000・・・・・・1本 125X245X 10,000・・・・・ 5本 125X245X 9,000・・・・・・1本 125X245X 8,000・・・・・・9本 125X245X 7,000・・・・・・4本 等… こもれび40本実張り |
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診療棟/天井:1階、P.B厚 大黒柱 275X275X 6,000・・・ 2本 床板 こもれび40・・・・・・ 695枚(40X190本実仕上げ 表面熱圧処理) 総使用材積 ・・・・・・・ 170m² (全て自然乾燥材にて供給) |