通常、木材の強度は、曲げ強度と曲げヤング係数で確認されます。平成5年度のデータ(表1)は、60~80年生のスギを目視による吟味選別後、桟積天然乾燥させたもので、私たちが実際に住まいの構造材として使用する時と全く同じ状態での試験結果です。そのデータによると、建築基準法の基準では、あかまつ、くろまつ、べいまつ類の区分以上であり、日本建築学会が定める木構造計算基準によると普通構造材II類、上級構造材III類に相当し、いずれもスギが分類された基準より高い値であることがわかりました。私たちは、更に、TSウッドハウスのスギの強度を様々な観点から確認し、これからの 建築設計の構造計算に使用できる数値を確立するため、いろいろな条件・試料による 試験を試みています。その概要は以下のとおりです。
昭和59年度 | 日本で初めての杉実大材の強度試験 |
---|---|
平成2年度 | 未乾燥材・乾燥材による強度変化の実証 |
平成3~4年度 | 丸太、たいこ材の強度変化の実証 |
平成4年度 | TSの選別・天然乾燥材の強度実証(前述・表1) |
平成6年度 | 樹齢60年生以下の強度の実証 |
平成7年度 | 無選別の人工乾燥材(市場流通乾燥材)の強度の実証 |
平成8年度 | 無選別の天然乾燥材(天然乾燥材)の強度の実証 |