葉枯らし乾燥は、伐倒後枝葉を付けたまま、約3か月山に寝かせて、葉が黄変もしくは赤変するまで自然乾燥させるものです。
徳島すぎの葉枯らし乾燥による含水率の減少経過は図-4のとおりです。
乾燥効果は伐倒する時期によって差があります。
7~8月に伐倒のものは約2か月間の葉枯らし乾燥で含水率約80%に達しますが、9 ~10月のものは約3か月間、11月以降では約4か月間以上を要します。
一般的なスギ材の特性として、心材含水率が高く、辺材と心材の間に水の透過性が悪い白線帯があり、他の樹種と比較して乾燥が難しいと言われています。
徳島すぎの葉枯らし乾燥効果を、生材と玉切り材との含水率分布を比較しますと図-5のとおりです。伐倒後直ちに玉切りした材は、生材とほとんど同じ含水率で、乾燥していません。葉枯らし材は辺材の含水率が減少し、生材の約1/2程度に減少し、辺材の含水率が心材の含水率にほぼ近づくとともに、全体が平均化され、製材品の反りや曲りが少なくなり、材の色・艶もよくなります。
これが葉枯らし乾燥材の最もおおきなメリットと言えるでしょう。